EU ETSとFuelEU Maritime規制へのコンプライアンス

欧州連合(EU)は、海運部門の脱炭素化を目的とした2つの中核的な規制枠組み、EU排出量取引制度(EU ETS)とFuelEU Maritime規制を導入しました。Hecla Emissions Management ASは、Wilh. Wilhelmsen傘下企業であるWilhelmsen Ship Managementと船舶仲介業者Affinity Shipping LLPとの合弁企業として、両規制に対応したカスタマイズされたソリューションを提供し、船主および船舶管理者が規制に先んじてコンプライアンスを確保できるよう支援します。

EU ETSコンプライアンス

2024年1月より、海運がEU ETS規制の対象に追加されました。この規制では、EUおよびEEAの港湾に寄港する5,000総トン超の船舶に対して、CO₂排出量の監視、報告、検証を実施すること、および相応の排出権を返還することが義務付けられています。

当社のEU ETSコンプライアンスサービス 

  • 検証済みデータの管理:第三者検証機関と連携し、Heclaのデジタルプラットフォームを活用することで、排出量データを安全に管理します。
  • レジストリアカウントの管理:法規制を遵守したアカウント作成と取引管理をお任せいただけます。
  • 排出権の調達:EU排出権(EUA)の売買に際して、EUの二酸化炭素市場へのアクセスを提供します。
  • 年次返還:検証済みの排出量とレジストリアカウントの保有量とを照合し、適切なタイミングで排出権を償却します。
  • 商業戦略に関するアドバイス:規制遵守に合わせて商業戦略を練られるよう、貴社に合わせてご用意した推奨事項を提案します。

弊社では、合弁企業であるHecla Emissions Managementを通じて、ETSのバリューチェーンを顧客中心の単一デジタルワークフローに集約しており、プロセス全体におけるコントロール、透明性、信頼性を確保しています。




EU ETS実施スケジュール(輸送部門)

EU ETSにおける輸送部門の規制では、円滑化のため段階的な引き上げが計画されています。

  • 2024年:検証済みの排出量のうち、40%に排出権が必要。
  • 2025年:70%
  • 2026年以降:100%

適用割合:

  • EU内航路からの排出量の場合は100%
  • EUを出入する航路からの排出量の場合は50%

 

FuelEU海運コンプライアンス

FuelEU Maritime規制では2025年1月1日から、EUの港湾で運航する船舶に対し、使用する燃料の温室効果ガス(GHG)濃度を段階的に削減することを義務付けています。EUでは2050年までに気候中立を達成できるよう幅広く取り組んでおり、この規制はその一部となります。EU ETSが排出量にフォーカスした規制であるのに対して、FuelEUは燃料自体の環境への影響を段階的に削減することを義務付けています。

 

船舶所有者にとってのコンプライアンス達成方法

  • GHG濃度を削減:規制の中核的な部分は、船舶のエネルギー消費量当たりのGHG排出量を削減することです。これには、カーボンフットプリントの低い燃料の使用も含まれます。
  • 再生可能・低炭素燃料への切り替え:バイオ燃料やe-燃料などの代替燃料を使用することで、燃料関連の排出量を削減します。
  • 陸上電源(OPS)の利用:大型旅客船やコンテナ船がEU内の港湾で停泊する場合、利用可能であればOPSに接続することで、排出量を削減する必要があります。
  • 監視と報告:コンプライアンスと規制報告上の観点から、燃料消費量、温室効果ガス(GHG)排出量、および燃料の種類を正確に追跡することが不可欠です。
  • 罰金の支払い:罰金の額は、非準拠燃料の使用量に基づいて計算されます。
  • 柔軟性のある体制:温室効果ガス(GHG)濃度目標のプール、バンキング、借り入れなどのオプションを検討できます。
    • プール:船舶のGHG濃度目標に過不足がある場合、プールすることにより、企業内または企業間で他の非遵守船舶と交換・補償できます。
    • バンキング:余剰分は、同じ船舶の翌年の濃度目標を満たすためにバンキングできます。
    • 借り入れ:当年の目標期間に対して借り入れ罰金を支払うことで、将来の年に予想される余剰分を借り入れて目標を満たせます。

FuelEU削減スケジュール 

  • 2025年までに2%
  • 2030年までに6%
  • 2035年までに14.5%
  • 2040年までに31%
  • 2045年までに62%
  • 2050年までに80%

船主が技術に適応し、データ報告や乗組員の訓練、利害関係者の調整などを無事に乗り切るには、船舶管理会社が重要な役割を果たします。Wilhelmsen Ship Managementでは、お客様が規制上の義務を効果的に履行できるよう、包括的なサポートを提供しています。

余剰コンプライアン山スの残高の取引

Hecla Emissions Managementは、革新的なFuelEU Maritime Exchange(FME)プラットフォームを通じて、FuelEUコンプライアンスの取り組みをリードしています。これは、FuelEU Maritimeコンプライアンスの残高を割り当てたり取引したりするための専用マーケットプレイスです。FuelEUコンプライアンス目標を上回る企業は余剰残価を売却できるなど、インセンティブを得られる場として活躍しています。

弊社を選ぶメリット

  • 独立したプラットフォームとして、EU ETSとFuelEU Maritimeの両方に対応
  • 排出量データ、報告、および排出権/コンプライアンス残高の管理を単一のシステムに集約
  • 規制上の義務から戦略、データ整合性までを含めた包括的なサポート
  • 多様な船種とグローバルなオペレーションにおける豊富な経験

 

規制管理の効率化と脱炭素化の取り組みにおいて、EU ETSサービスとFuelEU Maritimeサービスを組み合わせた当社のソリューションがどう役立つか、ぜひお問い合わせください。

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