入渠工事
専門家が計画から準備、実行までサポートすることで、先を見越して効率的な入渠工事を実現します。
入渠工事は、船舶のライフサイクルを通して最も重要な作業のひとつです。どの船舶も少なくとも5年に1回は入渠工事を行う必要があります。
当社では、利害関係者を巻き込み、包括的な仕様書を作成し、計画に従ってプロジェクトを実行できるよう目標を定めます。このアプローチにより、予定外の出費を最小限に抑え、高い品質を保証することができます。
専任チームに入渠工事の管理を任せるメリット
造船所との関係 |
|
継続的な改善 |
|
プロジェクト管理体制 |
|
最適なリソース配分 |
|
入渠費用の削減 |
|
お客様にとっての透明性を向上 |
|
入渠工事には大規模な準備と計画が必要なため、専門家に任せるのが得策です。管理が不十分だと、費用と時間がかさみ、重要な欠陥が見落とされる場合もあります。
入渠工事に関するFAQ
1. 入渠工事の目的は何ですか?
入渠工事の主な目的は、運航中は目視で確認できない水中部分の保守、検査、修理です。入渠工事が大切な理由の一部をご紹介します。
- メンテナンスと修理:入渠工事では、船体や水中部品を洗浄、検査、修理します。これは、船体の構造と性能を維持するために極めて重要です。
- 安全検査:乾ドックでの年次点検により、潜在的な問題を早期に発見して修復し、船舶と乗組員の安全を確保できます。
- 効率性:磨耗や劣化、船体塗装の剥がれなどが原因で船舶の効率や燃料消費量が増加します。必要な部品を補修または交換することで性能を維持し、コストを削減できます。
- 規制遵守:ほとんどの船舶は、各国の海事規制や基準により入渠工事が義務付けられています。
2. なぜ入渠工事が必要なのですか?
船舶は航行により激しく消耗します。入渠工事によって、船舶管理チーム が問題を見つけて修理や交換ができるため、船舶の性能を維持し、効率的かつ安全に運航できるようになります。
3. 入渠工事の流れとは?
船舶の維持と修理では、入渠工事と呼ばれる体系的なプロセスが不可欠です。これにより船舶が運航を続け、海事規制を遵守することができます。入渠工事は一般に、次の3つの段階から構成されます。
第1段階:入渠前の準備
- キックオフミーティング:通常は入渠工事の6~9か月前に、船舶/船隊管理者と実施します。
- 目標と評価:
- 目標を設定し、過去の記録と欠陥報告書を評価し、仕様を決定。
- 仕様書、見積書、請求書、PMS(計画的メンテナンスシステム)、検査、ライフサイクルプランなどを含む、過去の記録からの記載を評価。
- 船舶スタッフから提出された欠陥報告書を評価。
- 船級、規制、顧客、用船者の要件を、運航上の必要性に基づいて決定。
- 仕様書の作成:RefmanやBASSnetなどのソフトウェアを使用して、入渠仕様書を作成します。
フェーズ2:入札と交渉
- 造船所の特定:キックオフミーティングで、入札に参加する造船所について話し合います。
- 見積もりプロセス:
- 見積依頼パッケージを、Refman/BASSnet形式で候補の造船所に電子メールで送信。
- 見積もりを受け取り、Refman/BASSnetソフトウェアに入力。
- 項目ごとに費用を分析し、同一条件で比較。
- 造船所への接触:
- 価格分析時に、不足している見積もりを特定して入手。
- 各作業について、項目ごとに費用を交渉し(価格分析レビュー)、見積に全作業が含まれているか確認。
- 修理日数と支払い条件
- ヤード(乾ドックと修理バースの双方)と、現実的な必要日数を交渉して決定。
- 支払い条件(入渠前と出港後などの支払い割合)を決定。
- BIMCO書式の修繕契約について合意に基づいて話し合う。
- コスト比較:
- すべての費用(臨時費用を含む)、日数、支払条件を詳述したヤード費用比較表を作成。
- 最終的なコスト調整と最終決定のため、コスト比較を船舶/船隊管理者に提示。
- お客様の要求に基づいた入渠工事提案書を作成。
フェーズ3:入渠工事の監督
- 造船所でのキックオフミーティング: 期待される成果、修理内容、安全基準について造船所との間で決定します。
- 日々の監督:
- 造船所、技術者、船舶スタッフとの毎日のミーティングに出席。
- 入渠工事仕様書とお客様の期待通りに修理されるよう、すべての作業を監督・管理。
- 報告:
- 技術的な作業の詳細を記した進捗報告書を毎日提出。
- プロジェクトスケジュール(ガントチャート)を更新。
- プロジェクトの費用と支出について定期的に報告。
- 追加作業が必要になった場合、その根拠を取得。
- 最終交渉: 最終的な請求書について造船所と交渉。
乾ドックには、どのような種類がありますか?
乾ドック
船舶を浮上させるため注水できる狭いドックで、多くは土塁やコンクリートで造られています。船舶が進入した後はドックから排水され、乾ドックとしてメンテナンスや修理作業が進められます。
浮ドック
浮力を利用することで、船舶を載せて浮き上がり、作業後は水中に戻せるタイプのドックです。可動式で自由度が高いため、造船所のさまざまな作業にとって理想的な選択肢となっています(浮ドックとはポントゥーンの一種を乾ドックとして利用したもので、船を水から引き上げられるよう、注水可能な浮力隔室とU字型の断面を備えています)。
引き上げ船台
水中まで延びた傾斜レールの上に引揚船台(船架)を配置し、船をその上に載せて引き上げることで陸揚げします。小型船で多用されます。
スリップウェイ
岸壁に設けられた進水用の傾斜路がスリップウェイです。ここを通って陸揚げされた船は、船架や支柱の上に乗せられます。小型船に最適な、シンプルで効率的な方式です。
シンクロリフト式ドック
シンクロリフト式のドックでは、プラットフォームごと水中に沈めて、船舶を載せた状態で浮上させて陸揚げできるのが特徴です。上架後、そのまま乾ドックに移動して船舶のメンテナンスや修理を行えるため、効率や柔軟性に優れています。
(出典: https://www.marineinsight.com)
入渠工事には大規模な準備と計画が必要なため、専門家に任せるのが得策です。細部に至るまで綿密に計画し、実行できる当社にお任せいただければ安心です。プロによる入渠工事管理で船舶の安全と効率を維持できるよう、こちらよりご相談ください。